旅とか雑記とかを冗長に
(この文章の一部はフィクションです)
アムリトサルの宿に戻った時には、すでに辺りは真っ暗。
宿で少し休んでから、街をふらつきながら何か食べようと外に出る。
タバコを吸っていたら、シク教徒のおじさんに怒られる。
この時初めて黄金寺院の周囲が禁煙なことを知る。
知らなかったとは言え、シク教徒にとって大切な場所でごめんなさい。
どうりで、この街にはタバコ屋が少ないわけだ。昨晩は探すのに苦労した。
そして見つけたのは謎肉焼きの屋台。
炭火で串焼き、美味そう。
注文すると、ドレッシング的なものがかかって出て来る。
美味いかと聞かれたらビミョー。
結局最後まで何の肉かわからなかった。
豆腐のような、鶏肉のような。
食べ終わってしばらく歩いてから、ある事を思い出してビビった。
さっきの屋台にお金を払っていない。
青ざめた。
急いで戻ってお金を払う。
僕「ごめんなさい。お金を払っていませんでした」
屋台の人「ははは。君がどこ行ったのか考えていたよ」
隣のバングラデシュで教わったんだけれど(たぶんインドも共通)、この地域では飲食が終わって立ち去る時に料金を支払うとのこと。
商品の受け渡し時では無い。
商店でジュースを買ってその場で飲む時も飲み終わってから払うし、屋台で食べた時もチャイを飲んだ時も帰り際に支払う。
いつか食い逃げしちゃうんじゃないかと思っていたら、やっちまった。(戻って払ったけど)
でもよく考えたら、日本ではお祭りの屋台の場合は商品と支払いは同時だし、レストランだと後払い、食券制の店は先払い。
普通にできてるけれど日本の方が複雑かも。
さらに歩くと、看板に「パンジャビラッシー」と書かれた店を発見。
「パンジャビ」はこの街のある地域のこと。
普通のラッシーと何が違うのか興味が湧く。
僕「パンジャビラッシーください」
店員「ごめん、無いんだわ」
僕「看板にあるじゃん」
店員「隣の店にならあるよ」
隣の店へ移動。
僕「パンジャビラッシーください」
店員「はいよー」
出て来たのは普通のラッシーと何一つ変わらない飲み物。
一体何が違ったんだろう。
ラッシーは美味かったからいいんだけれど。
黄金寺院周囲の一番栄えている場所はきらびやか。
あまり興味のあるお土産は無かったけれど、イスラムのクルッと曲がったナイフを売っていたのは印象的。(ジャンビーヤナイフ?)
欲しいけど使いどころが無いな。
で、また黄金寺院へ。
2日連続でも見飽きない。
この日は前日よりも入念に見ることにする。
天守閣的な建物へ、異教徒の僕が入れるかドキドキしながら潜入を決行。
行列に並んでも怒られる気配は無い。
(シク教は排他的ではないし、豊める人も貧しい人も平等に接する教えがあるらしいので、異教徒の僕を受け入れてくれるんだと勝手に思ってる)
建物の中に入る際、皆が敷居の所で膝をついて土下座するようにオデコを敷居に付けている。
当然僕もそれにならう。
建物内もキンキラキン。すんげぇ綺麗。
その中で民族楽器的な何かで演奏をしている。
そしてグル的な人が何かを唱えている。
並んでいる人は順番にオデコを床に付けて祈っている。
建物を出ても通路の端で座って目を瞑っている人が沢山。
すごく神聖な感じ。
心底来て良かったと思う。
池の中央にある天守閣的な建物へ続く通路を戻ったら、謎のお菓子を配っている。
せっかくなので食べてみる。
美味い。
ほのかな甘みとナッツの香り。
シク教って皆平等に食べ物を食べる習慣があるから、皆に配っているのかな。
この寺院内にも無料で(と書くのもなんか違うかもだけれど)食事をいただける場所があるらしい。
そう言えば、バンコクにも無料で食事できるシク教の寺院がある。
黄金寺院を後にして、宿の近くをブラブラ。
途中、商店でお土産にマギー(インスタントラーメン)を大量購入。
その後お菓子屋さんがあったので、謎の白いお菓子を購入。
部屋に戻って、買ったお菓子を食べると絶品。
1個だけじゃなく、沢山買えば良かった。
この日はとても疲れたので、シャワーを浴びようと蛇口をひねると冷水。
よくある事だし諦めればいいんだけれど、夜は冷えるのでどうしても浴びたい。
廊下に出て受付(と言ってもこの宿にはそれらしい物は無く、入り口にソファーがあるだけ)に行くと誰もいない。
仕方ないので宿の番号に電話。
…うまく伝わらない。
結局、宿の人が来てお湯が出ないか何度もトライ。
結局ダメ。
悔しい。非常に悔しい。
翌日は国境を越えてパキスタン。
シャワーを諦めた僕は、国境のセキュリティに止められる事がないように、残りのチャラスを全部ジョイントにする。
出来上がったジョイントは今までにないぐらい会心の出来。
ぶっといジョイントに火をつけてこの日は就寝。
スタジアムの中に入ると、すでに大勢の人。
次第に人が増えて満席に。
場所取りに苦労。
16時、写真中央の人が司会者兼盛り上げ役になってセレモニー開始。
大音量で流れるBGMと盛り上げ方が上手くて、会場が一気に湧き上がる。
もちろん僕も大興奮!
「BSF! BSF! BSF!」
BSFが何だかわからないけれど、一緒に手を上げて叫んだぜ!
するとインド人女性の集団(観客?)がやって来てノリノリでダンス。
もうこれ、国境を閉めるために必要なんですか?
いや、めっちゃ楽しいから有難いけれどw
会場もノリノリ。
この曲、いいなぁ。
そして夕日は綺麗。
見えているのがパキスタンとの国境の門。
パキスタン側もインドほどではないけれどスタジアム風になっていて、似たようなセレモニーをしている。
パキスタン側と声を出していつまで息が続くか合戦。
どこまで足を高く上げれるか合戦。
競ってることはくだらないけど、凄いw
会場も大盛り上がり。
「ヒンドゥスタン」って初めて聞いた言葉。
響きと使われ方で「インド」か「インド人」のことかなー?って思ったらやっぱりそうみたい。
パキスタン側と対決の図。
パキスタンとの息が合っている。
こんなショー的な感じにセレモニーは進行。
17時直前に両国同時に国旗が下される。
そして17時ジャスト、国境の門が両国同時に閉めらる。
このシーンはちょっと感動。
チョー楽しかった。
皆で叫んだBSFって、流れからあの軍隊的な人達のことを指しているのはわかったけれど、カッコイイじゃん!
BSF、シビレたぜ!
BSF!BSF!BSF!
それにしてもこのセレモニー、インド側とパキスタン側で月イチぐらいでミーティングでもやってんのかな。
肺活量対決や足上げ対決とか、両国の息がピッタリと合っていたし、同時に門を閉めていたし。
たぶんミーティングやってるな。
仲の悪い両国のエリートが集まって「このタイミングで足上げ隊が2人づつ門に向かって歩いて、このタイミングで右足上げようか」なんて話し合っているシーンを妄想したら笑える。
アムリトサルに行く機会がある人は絶対に見るべし。
帰りは駐車場まで凄い人の数。
途中、お土産屋があったからBSFのTシャツを購入。
デザインもカッコイイぜ!
(帰国後、身体がデカくて入らないことに気づいて嫁さんの友達にあげた)
待っているドライバーとうまく落ち合えるか不安だったけれど、無事会うことができて一路アムリトサルへ。
途中でBSFって何の略か聞いたら「Border Security Force」とのこと。
なるほど。
他にも色々話しながら帰ったんだけれど、途中で僕の英語力がついていけないところがあった時、彼が
「国も言葉も違うんだから、ミスコミュニケーションは当たり前だよ」
とさらっと言ったことが印象的。
多民族、他宗教、多言語のインドだからなのか、国境の街だからなのか、彼の感性からなのか、その言葉が優しく感じて、なんだか少し肩の荷が下りた感覚になる。
ーーーお役立ち情報ーーー
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ーーーこの日のミッションーーー
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8時頃に起きてダラダラ。
2泊で予約していた宿になぜか部屋が無く、この宿に1泊することになっている僕は、元々予約していた宿へ引越ししなければならない。
(この文章の一部はフィクションです)
18時過ぎに思い腰を上げて、何か食べることに。
よく考えれば、この日は胃にほとんど入れていない。
宿を出ると外は冷えている。
この街は細い路地が入り乱れていて方向感覚を失わせる。
すごい好きな雰囲気。
前回の旅で訪れたバングラデシュのダッカをコンパクトにした雰囲気の街。
飯屋を見つけたので中に入ってみる。
頼んだのはバターチョウミンと、
スイートコーンスープ。
冷えた身体がやっと温まる。
バターチョウミンはバターの香りがとても良い。
さっきまで身体が重くて寒くて「風邪でも引いたか?」と心配になったけれど、なんて事は無い。ただの燃料切れ。
気力も体力も戻ったので、街を少し歩くことにする。
路地には牛やロバ、野良犬。
狭い路地が縦横無尽。
迷子になりそう。
金物屋さんかな?
いい味出してる店。
写真を撮らせてもらっていたら「子供と一緒の写真も撮れ」と言われる。
路地散歩に戻ると、道の真ん中にほこら的なものを発見。
RPGだったらセーブポイントに違いない。
わかりづらいけど、写真中央右から左上に伸びている物体は木。
ほこらから伸びている。
この写真だと根本がわかりやすいかな。
地域の人に大事に祀られていることがうかがえる。
当てずっぽうに歩いたから方向がわからなくなる。
けれどGoogleマップはあえて使わずに探検を続行。
しばらくすると大きな広場の脇に出る。
アムリトサルに来たら、是非行きたかった黄金寺院の敷地。
宿はこの寺院の脇にあるから、寺院沿いを歩けば戻ることができる。
なんで黄金寺院を見たかったのか理由は忘れたけれど、もう10年以上も前から見たいと思ってた気がする。
パキスタンとの国境近くにあって、シク教の総本山。
シク教ってのは、ヒゲを生やしてターバンを巻いた、まさに日本人がイメージするインド人像なんだけれど、実はインドでは少数派らしい。
彼ら彼女らは肉を食べるからインド人の中ではガタイがいい。(食べない人もいる)
アムリトサルはシク教の聖地なのでターバン率が高い。
たぶん80%ぐらい。(感覚値)
入り口を見つけたので早速入ってみる。
寺院内は神聖な場所なので土足厳禁。
靴を預けて裸足になる。
皆の脱いだ大量の靴が床にあり、その靴を長い棒で丁寧に揃える係の人がいる。
(こりゃ帰りに靴を探すの大変だな)
裸足で寺院内部に入る前に、浅めのプールのような足を洗う場所がある。
足を清めなければならない。
冷たい。
その後城門のようなものをくぐる。
するとえらい剣幕で座っている人に怒られる。
超ビビる。
髪(僕の場合は頭皮だが)を隠さないと中に入れないらしい。
バンダナ的な布が置いてあって、それを巻けとのこと。
髪を隠すことはシク教徒が大切にしている。
礼を欠いたことをしてしまい反省。
そしてゲートをくぐる。
感動した。
一気にテンションが上がった。
黄金寺院が「黄金」と言われる所以を体感。
すごい広い敷地、そのすべてが綺麗。
夜に来て良かった。
でもこれだけじゃない。
敷地の中央には大きな池があって、その池の中央に天守閣的な建物がある。
日本語だと内院?そんな感じの建物。
写真右から伸びている内院へ向かう通路には、大勢の人が行列を作っている。
さすが総本山。
世界中のシク教徒が、この地を訪れることに心の安らぎを感じているんだろうな。
周囲を見ると、地に伏せてお祈りをしていたり、池の縁できらびやかな灯りを見ていたり。
いやー、本当に黄金寺院だわ。
池を一周しなから見惚れる。
そんなこんなで黄金寺院は感動。
宿から寺院までは歩いて3分なので、翌日もまた来よう。
帰りに預けた靴を取りに行ったら、靴を揃える係の人が僕を見ただけで沢山ある靴の中から僕の靴を探し出し、長い棒で器用に目の前に揃えてくれる。
プロって凄い。
宿に戻ると受付に人がいる。
払ってなかったラッシー代を払って部屋に戻る。
宿の屋上で前日にラジュから手に入れたチャラスを吸おうと思い、部屋でタバコをほぐして巻き巻き。
再び部屋を出て、宿の人に屋上へ行きたいとお願い。
階段を登ると、2階はオーナー一家の住居の模様。
屋上へ出ると、黄金寺院が綺麗。
いや、最高。
「アムリトサルって素敵だな」とか「シク教徒ってこんな素敵な街を聖地にしているのかー」とか感慨にふける。
オーナーは屋上の鍵を開けてから下りると思っていたんだけれど、僕と話したいみたい。
目の前で吸ったら良くないかとも思ったんだけれど、断ってからチャラスに火を着ける。
後で知ったんだけれど、黄金寺院の周囲はシク教徒にとって神聖な場所だから禁煙らしい。
オーナーは特別に目をつぶってくれたんだと思う。
オーナーとは屋上で色々話す。
互いの仕事の事(僕の場合は無職なのでやってた仕事の事)、家族の事、文化風習の事、旅の事。
そして部屋に戻ると電話が鳴る。
着信はデリーでお世話になったラジュから。
ラジュ「急に電話してごめんね。僕とLINEが繋がってる人へ、僕の名前を名乗って詐欺する奴がいるみたいだから、気を付けて欲しいと思って電話したんだ」
どこまで行っても親切で日本人のような距離感。
ありがとう。
本日はこれにて就寝。
(この文章の一部はフィクションです)
ーーーこの日のミッションーーー
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7:20の列車に乗る予定なので5時に起床。
インドとは言え、11月の朝は冷える。
(この文章の一部はフィクションです)
飛行機は3時間でデリーに到着。
荷物を受け取って両替してから、まだ見ぬラジュのいる空港出口へ。
しばらくキョロキョロしてるとインド人男性が大きく手を上げてこっちへ来る。
ラジュ「いたいた!」
僕「どーも。ラジュさんですよね?」
(この文章の一部はフィクションです)
ーーーこの日のミッションーーー
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この日は移動日。
悲しいかな、堕落しきったゴアでの日々と涙のお別れ。
9時頃に起きて、ダラダラと身支度して、10時頃に部屋を出る。
「どうせ受付小屋には誰もいないだろうし、果たしてチェックアウトできるのだろうか」と不安があったけれど、庭に出たら宿の子供が掃除をしている。
(この文章の一部はフィクションです)
また記憶の無い1日。
記録では晩飯とクラブ活動のみ。
なのでたぶん昼頃起きて、バルコニーでお決まりの行動。
YouTubeと音楽と電子書籍の時間。
YouTubeはインド行きの機内で聴きすぎて耳から離れなくなった乃木坂。
音楽はゴアトランス。
電子書籍は、たぶん「特攻の島」でも読んでいたんだと思う。
ここ数日と同じで昼飯すら食べず、ポートワインとジュースとミネラルウォーターのみで引きこもり。