(この文章の一部はフィクションです)
飛行機は3時間でデリーに到着。
荷物を受け取って両替してから、まだ見ぬラジュのいる空港出口へ。
しばらくキョロキョロしてるとインド人男性が大きく手を上げてこっちへ来る。
ラジュ「いたいた!」
僕「どーも。ラジュさんですよね?」
ラジュ「ゴアどうだった?僕も2回行ったことあるんだけれど、いいよね。また行きたいなー」
流暢な日本語である。
ラジュ「じゃー、早速街に行こうか。宿は決まってるの?」
僕「メインバザール沿いの宿を予約してます」
2人で地下鉄の駅まで歩く。
地下鉄内で話してラジュのことが少しわかる。
- デリー在住
- 宗教はイスラム教
- ヒンディー語、英語、日本語以外にもウルドゥー語も話せる
- 日本には仕事で何度も行っている
- 今は牛肉の輸出事業を起業している(インドは牛肉の出荷量が世界的に見ても多いらしい。牛は神様じゃないんかい)
日本人と違って、インド人にとっては海外で仕事をすることや起業することへの精神的なハードルは低いみたい。
そして話の終盤でビックリしたのは、奥さんが日本人。
ラジュ「せっかく会ったのも縁だからさ、一緒に飯か酒でも行こうよ。どっちがいい?」
本当に「縁」って言った。日本語達者。
僕「じゃー酒で。デリーは良くわからないから、おすすめのローカルな感じの場所に連れて行って」
ラジュ「それならウチに来なよ!」
マジっすか?インド人の家で宅飲みなんて貴重な体験。ありがたい。
地下鉄を乗り換えて、目的の駅に着いた僕達は地上に出る。
それはそうと、ここはどこ?
予約した宿まで一番近い駅で降りたらしい。
ラジュに任せていたのでサッパリ位置がわからない。
ラジュ「明日の子供の弁当とか酒とか買っとくから、リキシャーで宿に行って荷物置いてきな」
ラジュは近くにいたリキシャーと交渉してくれる。
リキシャーに乗って、一路宿へ。
宿に到着してリキシャーにそのまま待っていてもらい、チェックイン。
荷物を置いたら待っていたリキシャーに乗ってラジュと別れた地点へ戻る。
別れた地点に近づくと、後ろから声がする。
ラジュ「おーい!ここ、ここ」
リキシャーに料金を払ってラジュと再合流。
ラジュはウイスキーと果物を持っている。
インドでは子供の弁当って果物だけなのか?
それから一緒にオートリキシャーで15分ぐらいの住宅街へ。
ラジュ「ケンタッキー買ってこうよ。インドのケンタッキーは日本のより美味いよ」
2人でケンタッキーに立ち寄る。
ケンタッキーを出た僕達は、5分ぐらい歩いて狭い路地の住宅街(雑居ビル群見たいな雰囲気)に入る。
観光客が行くことはない住宅街。
ラジュの家は3階。
凄い遅いエレベータに乗ってラジュの家に着くと、日本人の奥さんと子供が待っている。
ラジュ「屋上で飲もう。ちょっと待ってて」
ラジュは子供の弁当(果物のみ)を冷蔵庫へ。
僕「ア、ア、ア、ドーモハジメマシテ」
奥さん「え!?日本人なの?初めまして」
ラジュは僕(日本人)に会うことは奥さんに言っていなかったみたい。
ラジュ「じゃ、屋上行こ」
一緒に階段を上がると、すでに先客。
ラジュ「あ、この人達は近所の人」
屋上では近所の青年が談笑。
僕「はじめまして。日本から旅行で来ました」
青年「どーも、どーも。よろしくね」
挨拶を終えて布を敷き、ラジュとの酒盛り開始。
フライドチキンを食べながらゴアの話とかインドのことを教えてもらったり。
これから行くパキスタン、インドと仲が悪いけれど、それは政治的なものであってインド人個々がパキスタン人個々に対して悪いイメージとか憎しみがあるわけではないらしい。
インドには色んな人種や宗教があるから、全員がそうではないかもしれないけれど。
貴重な生の声。
旅して良かったと思う瞬間。
僕「そういえばゴアでガンジャを手に入れたんだけれど、ビックリするほどクズだった。チャラスもあんまりいい物と出会えなかったよ。こないだジミから買ったカシミール産のチャラスはすごい良かったんだけれど」
ラジュ「外国人がいい物を手に入れるのは難しいんじゃない?欲しいんだったら今買ってあげるよ。一緒にココで吸って、余ったら持って帰ればいいよ」
僕「でももうすぐパキスタンに行くし、持って国境越えたくないし」
ラジュ「次行くアムリトサルで全部吸えば問題無いじゃん」
買うことにした。
ラジュはどこかに電話して、15分もしたらデリバリーがやって来る。
ジミも言っていたけれど、インドの今の大麻事情はデリバリーが主流らしい。
その後は2人で一服しながら互いの文化や考え方とか、そんな話。
って言っても、ラジュは日本のことは知り過ぎているので、ほとんど僕がインドのことを教えてもらう。
なんたって彼は「氷河期世代」って言葉も知っているぐらいだから。
途中、ラジュの子供が乱入したりして楽しい時間。
そろそろ帰ろうかなって頃、ラジュがボソっと
ラジュ「いいなー、アムリトサル。吸いながら一緒に車で行こうよ。」
それも楽しいなと一瞬考える。
けれど
僕「列車のチケット買っちゃったし」
今思えば、チケットは捨ててラジュと一緒にアムリトサルに行くシナリオでも良かったのかもと悔やまれる。
そうこうして解散。
ウイスキー代とかケンタッキー代とか、細かくキッチリ割り勘。
日本人には普通の事かもしれないけれど、インドでは珍しいと思う。驚き。
ラジュは考え方や距離感が日本人みたいな人だった。
インド人って距離感が近いと言うか、グイグイ入って来る人が多いから苦手だけど、ラジュにそんな事は一切無い。
ラジュはオートリキシャーが捕まる場所まで見送ってくれる。
そして親切にもオートリキシャーと値段交渉まで。
ラジュ「100ルピーだから。それ以上払わなくて大丈夫だよ。アムリトサル楽しんでね」
貴重な時間をありがとう、ラジュ。
オートリキシャーは宿へ向かう。
さすがに夜は寒い。
宿の近くで降ろしてもらい、少し歩く。
宿の場所はココ。All Iz Well。
もう0時を過ぎている。
酒とチャラスでクラクラな僕は、そのままベッドに倒れてこの日は終了。
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