旅とか雑記とかを冗長に
ーーーこの日のミッションーーー
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この日は最終日。
夜に離陸予定の飛行機に乗る以外イベントは皆無。
本当はゴミゴミした街をブラブラしたり、生活感溢れるパキスタンを感じたりもしたかったな。
ーーーこの日のミッションーーー
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朝起きてこの日に何をするか考える。
出発前からイスラマバードでやりたい事は特に無かった。
昼までベッドでダラダラして、結局ファイサルモスクに行ってみる事に決定。
ーーーこの日のミッションーーー
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9半頃にチェックアウト。
この日は今回のゴール、イスラマバードへ行く日。
宿の受付でDAEWOOのバスターミナルに行きたいと相談。
DAEWOOはパキスタンのバス会社。
公共のバスターミナルとかあるのかもしれないけれど、事前調べではDAEWOOしかわからなかったので、安全を取ってこのバスに乗ることにする。
ーーーこの日のミッションーーー
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10時ぐらいにチェックアウト。
この日は入り口のソファーに宿の人が座っている。(やっぱりターバン)
国境まで行きたい事を相談したら、車を呼んでくれることになる。
車を待っている間、ターバンお兄さんと話。
お兄さんから、是非宿のレビューをしてくれと頼まれる。
事前に予約していたのに部屋が無いからって別の宿に行かされたり、ホットシャワーが出なかったり、入り口のソファーは常に無人だし、レビューに書いていいのかな。
でも部屋は清潔で、何か相談したらすぐに対応してくれたり、黄金寺院から近いロケーションだったり、良い印象も多い。
先に書いたマイナス要素はインドでは気にする類いのものじゃないか。
しばらく待っているとドライバーがやって来る。
ターバンお兄さんにお別れを言い、車に乗り込む。
あまり話が弾まないまま40分ぐらいで国境に到着。
車はここまで。
この先にある建物が出入国の場所らしい。
ーーーお役立ち情報ーーー
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出国は問題無く通過。
バスに乗るように言われる。
バスに乗ったまま15分。誰も来ない。
軍人(BSF?)が来て、あっちのバスに乗れと言われる。
待ち損。
バスの乗客は僕を含めて3人。
変な時間ではないのに人は少ない。
前日のフラッグセレモニー会場。
ここでバスを下ろされる。
この景色、チョーいい!
会場のど真ん中を歩いて先に見える門へ
門が近づいて来る。
ここでインド側の門番に出国スタンプが押されたパスポートを見せ、いくつかの質問に答える。
そしてインド側の重々しい門が開かれる。
続いてパキスタン側の重々しい門も開かれる。
やっぱりパキスタン側の門番からもいくつかの質問があり、パスポートのビザを確認すると「Welcome to Pakistan」と言われて通過を許可。
いやー、感動。
この広いスタジアム風の敷地に、国境を越える人は僕1人だけ。
見た目が「いかにも国境」と言う雰囲気。
僕のためだけに重厚な門が開かれたり、「Welcome to Pakistan」だなんて。
是非是非、機会があればこの国境の感動を他の人にも味わって欲しい。
パキスタン側は、インド側と比較しすると小さなスタジアム。(それでも十分立派だが)
国力の差なのかな。
パキスタン側
インド側
パキスタン側の入国をするため、スタジアムを抜けてそれらしい建物に入る。
荷物チェックはかなり厳重。
入国手続きをしている人は僕を含めて5人ぐらい。
これだけ大きい国境なのに、随分と少ない。
インドとパキスタンは物流も人の移動もほぼ無いみたい。
そして無事に入国。初パキスタン。
左が入国スタンプ、右がパキスタンビザ。
シンプルでカッコいい。
建物を出て、この日の宿泊地であるラホールへ行く手段を探そうとするけれど、辺りには誰もいない。
仕方ないので少し歩くと人が数人いるのを発見。
僕「あのー、ラホールまで行きたいんですが」
パキスタン人「俺の車で行きなよ」
他に人はいないし選択肢は無い。
僕「パキスタンルピーを持ってないから両替してもらえます?」
インド側でもパキスタン側でも両替所は見なかった。
誰かに両替してもらわないと先へは進めない。
結局両替もOKで、手持ちのインドルピー全部と米ドルを少しパキスタンルピーに両替。
そして助手席に乗り込んでラホールまで1時間弱。
運転手は予約していた宿を知らないらしい。
「カーナビにセットしてくれ」と言われたので、僕が目的地を設定。
カーナビがある事にも驚いたけれど、今のカーナビって地図がgoogleマップなのね。そっちの方が驚き。
道中は色々パキスタンの事を教えてもらう。
今から行くラホールは、真夏に気温が50度を超えるとか。
50度超えって死んじゃうじゃん。
息しても、入って来る空気は熱風じゃん。
そしてインドに対する感情についても聞いてみる。
僕「やっぱ、インドに対しては悪い感情とかあるんですか?」
運転手「政治的には対立しているけれど、個人的に悪い感情は持っていないよ。他のパキスタン人も僕と同じじゃないかな?」
運転手「そもそもパキスタンとインドは元々一つの国だから、言葉も文化的も似ているよ」
僕「そうなんすか。僕の国には国境が無いから不思議な感覚です」
運転手「韓国と北朝鮮みたいなもんだよ」
僕「なるほど。わかりやすい」
「韓国と北朝鮮」の例えがすごくわかりやすい。
インドとパキスタンは文字はまったく違って見えるけれど、言語(ヒンディー語とウルドゥー語)は相互理解が可能って聞いたことがある。
そう言えば、デリーでお世話になったラジュはウルドゥー語も話せるって言っていた。
運転手曰く、料理もインドと大して変わらないらしい。
すごく勉強になったし、有意義な会話。
ーーーお役立ち情報ーーー
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(この文章の一部はフィクションです)
アムリトサルの宿に戻った時には、すでに辺りは真っ暗。
宿で少し休んでから、街をふらつきながら何か食べようと外に出る。
タバコを吸っていたら、シク教徒のおじさんに怒られる。
この時初めて黄金寺院の周囲が禁煙なことを知る。
知らなかったとは言え、シク教徒にとって大切な場所でごめんなさい。
どうりで、この街にはタバコ屋が少ないわけだ。昨晩は探すのに苦労した。
そして見つけたのは謎肉焼きの屋台。
炭火で串焼き、美味そう。
注文すると、ドレッシング的なものがかかって出て来る。
美味いかと聞かれたらビミョー。
結局最後まで何の肉かわからなかった。
豆腐のような、鶏肉のような。
食べ終わってしばらく歩いてから、ある事を思い出してビビった。
さっきの屋台にお金を払っていない。
青ざめた。
急いで戻ってお金を払う。
僕「ごめんなさい。お金を払っていませんでした」
屋台の人「ははは。君がどこ行ったのか考えていたよ」
隣のバングラデシュで教わったんだけれど(たぶんインドも共通)、この地域では飲食が終わって立ち去る時に料金を支払うとのこと。
商品の受け渡し時では無い。
商店でジュースを買ってその場で飲む時も飲み終わってから払うし、屋台で食べた時もチャイを飲んだ時も帰り際に支払う。
いつか食い逃げしちゃうんじゃないかと思っていたら、やっちまった。(戻って払ったけど)
でもよく考えたら、日本ではお祭りの屋台の場合は商品と支払いは同時だし、レストランだと後払い、食券制の店は先払い。
普通にできてるけれど日本の方が複雑かも。
さらに歩くと、看板に「パンジャビラッシー」と書かれた店を発見。
「パンジャビ」はこの街のある地域のこと。
普通のラッシーと何が違うのか興味が湧く。
僕「パンジャビラッシーください」
店員「ごめん、無いんだわ」
僕「看板にあるじゃん」
店員「隣の店にならあるよ」
隣の店へ移動。
僕「パンジャビラッシーください」
店員「はいよー」
出て来たのは普通のラッシーと何一つ変わらない飲み物。
一体何が違ったんだろう。
ラッシーは美味かったからいいんだけれど。
黄金寺院周囲の一番栄えている場所はきらびやか。
あまり興味のあるお土産は無かったけれど、イスラムのクルッと曲がったナイフを売っていたのは印象的。(ジャンビーヤナイフ?)
欲しいけど使いどころが無いな。
で、また黄金寺院へ。
2日連続でも見飽きない。
この日は前日よりも入念に見ることにする。
天守閣的な建物へ、異教徒の僕が入れるかドキドキしながら潜入を決行。
行列に並んでも怒られる気配は無い。
(シク教は排他的ではないし、豊める人も貧しい人も平等に接する教えがあるらしいので、異教徒の僕を受け入れてくれるんだと勝手に思ってる)
建物の中に入る際、皆が敷居の所で膝をついて土下座するようにオデコを敷居に付けている。
当然僕もそれにならう。
建物内もキンキラキン。すんげぇ綺麗。
その中で民族楽器的な何かで演奏をしている。
そしてグル的な人が何かを唱えている。
並んでいる人は順番にオデコを床に付けて祈っている。
建物を出ても通路の端で座って目を瞑っている人が沢山。
すごく神聖な感じ。
心底来て良かったと思う。
池の中央にある天守閣的な建物へ続く通路を戻ったら、謎のお菓子を配っている。
せっかくなので食べてみる。
美味い。
ほのかな甘みとナッツの香り。
シク教って皆平等に食べ物を食べる習慣があるから、皆に配っているのかな。
この寺院内にも無料で(と書くのもなんか違うかもだけれど)食事をいただける場所があるらしい。
そう言えば、バンコクにも無料で食事できるシク教の寺院がある。
黄金寺院を後にして、宿の近くをブラブラ。
途中、商店でお土産にマギー(インスタントラーメン)を大量購入。
その後お菓子屋さんがあったので、謎の白いお菓子を購入。
部屋に戻って、買ったお菓子を食べると絶品。
1個だけじゃなく、沢山買えば良かった。
この日はとても疲れたので、シャワーを浴びようと蛇口をひねると冷水。
よくある事だし諦めればいいんだけれど、夜は冷えるのでどうしても浴びたい。
廊下に出て受付(と言ってもこの宿にはそれらしい物は無く、入り口にソファーがあるだけ)に行くと誰もいない。
仕方ないので宿の番号に電話。
…うまく伝わらない。
結局、宿の人が来てお湯が出ないか何度もトライ。
結局ダメ。
悔しい。非常に悔しい。
翌日は国境を越えてパキスタン。
シャワーを諦めた僕は、国境のセキュリティに止められる事がないように、残りのチャラスを全部ジョイントにする。
出来上がったジョイントは今までにないぐらい会心の出来。
ぶっといジョイントに火をつけてこの日は就寝。
スタジアムの中に入ると、すでに大勢の人。
次第に人が増えて満席に。
場所取りに苦労。
16時、写真中央の人が司会者兼盛り上げ役になってセレモニー開始。
大音量で流れるBGMと盛り上げ方が上手くて、会場が一気に湧き上がる。
もちろん僕も大興奮!
「BSF! BSF! BSF!」
BSFが何だかわからないけれど、一緒に手を上げて叫んだぜ!
するとインド人女性の集団(観客?)がやって来てノリノリでダンス。
もうこれ、国境を閉めるために必要なんですか?
いや、めっちゃ楽しいから有難いけれどw
会場もノリノリ。
この曲、いいなぁ。
そして夕日は綺麗。
見えているのがパキスタンとの国境の門。
パキスタン側もインドほどではないけれどスタジアム風になっていて、似たようなセレモニーをしている。
パキスタン側と声を出していつまで息が続くか合戦。
どこまで足を高く上げれるか合戦。
競ってることはくだらないけど、凄いw
会場も大盛り上がり。
「ヒンドゥスタン」って初めて聞いた言葉。
響きと使われ方で「インド」か「インド人」のことかなー?って思ったらやっぱりそうみたい。
パキスタン側と対決の図。
パキスタンとの息が合っている。
こんなショー的な感じにセレモニーは進行。
17時直前に両国同時に国旗が下される。
そして17時ジャスト、国境の門が両国同時に閉めらる。
このシーンはちょっと感動。
チョー楽しかった。
皆で叫んだBSFって、流れからあの軍隊的な人達のことを指しているのはわかったけれど、カッコイイじゃん!
BSF、シビレたぜ!
BSF!BSF!BSF!
それにしてもこのセレモニー、インド側とパキスタン側で月イチぐらいでミーティングでもやってんのかな。
肺活量対決や足上げ対決とか、両国の息がピッタリと合っていたし、同時に門を閉めていたし。
たぶんミーティングやってるな。
仲の悪い両国のエリートが集まって「このタイミングで足上げ隊が2人づつ門に向かって歩いて、このタイミングで右足上げようか」なんて話し合っているシーンを妄想したら笑える。
アムリトサルに行く機会がある人は絶対に見るべし。
帰りは駐車場まで凄い人の数。
途中、お土産屋があったからBSFのTシャツを購入。
デザインもカッコイイぜ!
(帰国後、身体がデカくて入らないことに気づいて嫁さんの友達にあげた)
待っているドライバーとうまく落ち合えるか不安だったけれど、無事会うことができて一路アムリトサルへ。
途中でBSFって何の略か聞いたら「Border Security Force」とのこと。
なるほど。
他にも色々話しながら帰ったんだけれど、途中で僕の英語力がついていけないところがあった時、彼が
「国も言葉も違うんだから、ミスコミュニケーションは当たり前だよ」
とさらっと言ったことが印象的。
多民族、他宗教、多言語のインドだからなのか、国境の街だからなのか、彼の感性からなのか、その言葉が優しく感じて、なんだか少し肩の荷が下りた感覚になる。
ーーーお役立ち情報ーーー
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