2020年秋
この頃から、なんとなく「そろそろ働かないとマズいのかな」って心の片隅にモヤモヤとした気持ちが出現。
無意識にこのままじゃ社会復帰できないって思いや、順風満帆な人生からドロップアウトした劣等感のようなものがあったのかもしれない。いや、確実にあった。
「いつまでその生活をしてるの?」と思われてるんじゃないかって勝手な被害妄想。誰かから急かされたとかは一切無いのに。
一方、働いたらまた病状が悪化するんじゃないかという不安も強く感じる不協和音。
次ダメになったら一生立ち直れないって恐怖。
で、勇気を振り絞ってとある仕事に応募したけど不採用。
「まー、次あるし(楽観)」って気持ちと、「ホッとした」って気持ちが交錯。
並行して毎日のように山を徘徊。
山で軽くランニングできるまで体力は復活。まだまだ昔ほどでは無いけど、体力に自信がついてきたかな。
毎日山を徘徊するうちに、同じように毎日山を歩くニート達と顔見知りに。
彼らは僕のような社会不適合ニートではなくリタイヤ組。ニート界のヒエラルキーでは頂点に立つ成功者ニート。
最初はお互い「この人見たことあるな」って感じ。
そのうち「こないだも歩いてたよね」って声をかけられ、「おはよう!今日も頑張ってるね!」とステップアップ。
当然相手から声を掛けられるのであって、恐れ多くも僕から成功者ニート様へ声をかけることはできない。いや、単なるコミュ障。
たまに少し離れた山に行き始めたのはこの頃。
2020年冬
とある仕事に応募。
募集要項を見てもどんな仕事か具体的に想像できなかったけど、まあどうにかなるやろの精神で。
病気が悪くならないかって不安はあったけど、このまま立ち止まっていたら永遠に前に進めない気がしたし、貯蓄だっていつかは無くなってしまう。
いつか直面してしまう現実に、そろそろ真っ向から対面しなくてはならない時期なんだ。
この辺で旅はスッパリ諦めて現実世界を生きることにシフトしよう。
で、あっけなく採用。
非正規だし週4日勤務だけど、今の僕にはこれでいいのかもしれない。
4月から新しい生活に入ってしまう。
世間や貯蓄、そしてなにより自分が許してくれれば、このままニートでいたかった。
トレイルウォーキングは並行して継続。
徐々に距離が延びて標高が高くなる。
3月30日。
忘れもしない最後のトレイルウォーキングでは、挨拶程度だけど知り合った人全員とすれ違う奇跡。こんな事はこの道を歩いて初めて。
もちろんコミュ障なので「4月から働くのでこれで最後です。これからも元気にここを歩いてください」なんて言えず、「ア、、、コンニチワー」って挨拶。
また会えるかもしれないけど、一つの区切り。
この日の山吹は綺麗だったな。
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