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アジアハイウェイ1号線の旅 激走東南アジア編【7日目】地獄のバスでインパールからディマプルへ、終わりの始まり


インド北東部は2010年まで外国人の入域が制限されていた。

その影響なのか、ここからバングラデシュを抜けて再びインドに入る区間の情報は、事前に調べてもほとんど情報を得ることができなかった。

先行者はほとんどいないのかもしれない。

この日から先は、本当に手探りの旅。

ーーーこの日のミッションーーー

  • バスでディマプルへ行く

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朝6時ぐらいに起床。

少し宿でダラダラしてから気合を入れてチェックアウト。

この宿は僕にはめずらしく結構いい宿だったので、宿泊料金とレストランで食べた分を合計しての後払い。

小額紙幣の分厚い札束が一気に減って助かる。

この街にはバスターミナルが複数あるみたい。

けど目的地のディマプル行きのバスがどのターミナルから出ているのかわからない。

とりあえず一番近くのバスターミナルまで歩いて、違っていたら教えてもらうことにする。

バスターミナルの入口で聞いてみると、ディマプル行きのバスは無いとのこと。

すると教えてくれた人が近くに走っていたオートリクシャーを止めて、運転手に何か言っている。

親切な人「これに乗れ。バスの所まで連れて行ってくれる」

助かった。

オートリクシャーには先客が3人。

僕は運転手の横に座ることになる。

ただでさえデカい身体、そしてデカいザック。

車体から身体が半分外にはみ出す格好で座る。あぶねー!

オートリクシャーは5分ぐらい走り、運転手が「ココだ」とジェスチャーしながら停まってくれる。

料金を聞くけど運転手は英語がわからない様子。

後ろに乗っていたおばちゃんが「10ルピーだよ」とナイスフォロー。(おばちゃん、ありがとう!)

場所は、前日に行ったイママーケットの近く。

オートリクシャーを降りると早速バスの客引きが来る。

僕「ディマプルに行きたいんス」

客引き「こっちだ。早く来い」

簡素なカウンターでバスのチケットを買い、どのバスなのか教えてもらう。

バスはTATA製(インドの国産車)。

バンが少し長くなった感じの車。

このバスがこの旅で最も過酷で乗り心地が悪い乗り物になることを、この時の僕はまだ知らない。


(今後このディマプル行きのバスに乗る人がいた時のためにバス乗り場の場所を紹介したいのですが、オートリクシャーに連れて行かれたのでよくわかりません。写真の位置情報を見たら明らかに変な場所を指していたので、今回は紹介無しとします)

バスはしばらく発車しそうになかったので、近くの有料トイレに行くことに。

汚い。

本当に汚い。

百歩譲って、通路がビシャビシャなのは掃除して乾いてないだけなのかもしれない。

でも便器にそびえ立つ黄金の山脈は言い逃れできないよね?よね?

足元に飛び跳ねるからできるだけ山脈に当たらないように狙いを定める。

もちろん息は止めている。

トイレを出る時に料金を払ったら、お釣りが無いからってお菓子をもらう。

美味しかったけど、こんな物であのトイレの汚さが帳消しになるなんて思うなよ!


バスに戻って座席を確認すると、席は2+1列。

1番目の客だった僕は、もちろん1列の座席に座る。

狭い。

狭い。

とても狭い。

右足は通路なので少し余裕があるけど、左の膝がガッツリ前のシートにめり込んで完全に固定。

このまま待つこと1時間。

ようやく9時になって人も荷物も満載になったバスが走り出す。

荷物は通路にも隙間なく置かれて、あえなく僕の右足も固定。

一切身体を動かすことはできない。

1時間後、バスは薄暗い食堂の前で停車。

運転手はタイヤを交換し始める。


運転手はジェスチャーで「食事でもしてろ」と言ってくれたけど、食堂から放たれる怪しい空気で食欲は消滅。

ボケーっとタバコを吸って時間を潰すことに。

他の乗客は食事をしている。もちろん手で。

再び走ること1時間。

何も無い路肩でバスは停まり、トイレ休憩。

たぶん運転手がトイレに行きたかったから。

男性はその辺で、女性は藪の中へ消えて行く。

この辺から道はとんでもなく悪路。そしてカーブの連続。

さらにTATA製のバスはとんでもなく乗り心地が悪い。

固定された僕の両膝は痛くて限界。

僕は何をやってんだろう?罰ゲーム?

コヒマを越えてしばらくしてから、ようやくトイレ休憩。

20分ぐらい停まっていたので、謎のカレー的な料理を食べることにする。

辛いけど美味い。


地獄のバスはまだまだ走る。

やがて暗くなり、山道は真っ暗。

道沿いにたまに見かける小屋は食堂か宿のよう。

食べるのも泊まるのも、一般的な日本人なら確実に躊躇するオーラを放つ小屋。

もちろん、僕はあそこで宿泊する勇気は無い。

電気も無いんだろうなぁ。

狭いシートで身体を動かせないので、膝も腰も痛い。

痛すぎて気が遠くなってくる。

19時頃、バスはディマプルの街に入る。

街は雨でグチャグチャ。

道は川のようになっているし、渋滞でなかなか進まない。

20時になって、小さいバス会社が数件並んでいる場所に着いて、乗客全員が降り始める。

ココが終点らしい。


着いた場所はこの辺。

地獄のバスからやっと解放。

もう体力も精神力も限界。

ーーーお役立ち情報ーーー

  • ディマプル行きのバスは3列席のミニバス。800ルピー
  • バスはインパールを9時頃発、ディマプルに20時着
  • トイレ休憩は3回(たぶん運転手の気分次第)
  • 本当に地獄。絶対勧めない

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「宿に行く前に腹ごしらえしておこう」と思い、すぐ近くにある食堂に入る。

出て来たのは手で食べるタイプのアレ。

スープは謎の発酵臭がして、あんまり美味しくない。

この後、魚のカレーも出されたけど、やっぱり美味しくない。

こういう時に限って量が多いんだよなぁ。


予約した宿までは近そうだったけど、道が川になっていて歩きたくない。

近くにいたオートリクシャーに頼んで連れていってもらうことにする。

けど運転手以外になんでもう一人乗り込んできたんだろう?

普通に僕に話しかけてくるけど、この人誰?


着いた宿はかなり小汚い部屋。(この写真では伝わらないのが残念)

ジメジメしたシーツに横になりながら「あー、帰りてぇなー」と本音がポロリ。


宿の場所はココ。Hotel Lake Shilloi。

(後日談)
どの移動もツラかったけど、この日の移動はこの旅で一番過酷な思い出。

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