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マレー半島縦断の旅【まとめ】


マレー半島縦断の旅は、シンガポールからマレーシアを経てタイへと北上するルートで陸路移動しました。

総日数は36日。

人生で2番目に長い旅となりました。

行きたいと思っていた場所に行けなかったり、行かなかったり。

反対に、時間が余ったから無理矢理行きたい場所をひねり出して行ってみたり。

当初ぼんやりと思い描いていた計画とは違うものになりました。

行こうと思っていたけど行かなかった場所は、タイのプーケット島。

ハジャイからプーケットへのバスを無視して、なんとなくパンガン島へアクセスできるスラターニへと足が向きました。

その後戻ることもできたんですが、せっかく北上した道をまた南下する気が起きず、プーケットは見送りました。

プーケットに対して「ファミリー」や「カップル」という僕の勝手なイメージのせいで、一人旅の僕には気が引けたってのも理由にあります。

行けなかったのはミャンマーのコータウン。

タイのラノーンからボートで日帰りできる街です。

何が見たかったわけではありません。

「近くまで来たからミャンマー料理でも食べるか」って気持ちと、「せっかくだからパスポートのスタンプを増やしてやろう」ってノリです。

ラノーンまでは行きましたが、あいにくの土砂降りで宿にカンズメ。

さすがにあの雨の中、港までバイタクで行って、さらにボートに乗るなんてしたくありませんでした。

ラノーンの宿で、パヤムと言う島へ行くボートのチラシを見ました。

僕がパヤムを知ったのはこの時が初めて。

ガイドブックに出てるのかな?Webでもあまり見かけません。

とてものんびりした島のようなので、次回は是非行ってみたいと思いました。

タイはバンコクより南の街は初めてでした。

また、マレーシアもシンガポールも初めてでした。

要するに、今回のルートは初めてだらけ。

でも思ったより難なく周れたかな?って思っています。

次に各街の印象を、周った順に書いてみます。

シンガポール

夜に到着して、1泊して、昼にマレーシア行きのバスに乗りました。

滞在時間は16時間ぐらい。

やったことはマーライオンを見たこと。

物価が高いので長居したくなかったのと、好奇心をそそられるものがあまり無かったので、スタート地点としてしか見ていませんでした。

何か面白いものってあるのかな?

シンガポールは狭い国だから、自転車で1周とかしたら面白いかも。

走れる距離かは知らんけど。

一瞬で後にした国だけど、すごく国際的な国だという印象です。

マレーシア

マラッカ

とにかくクソ暑かったです。

外に出て30分もしないうちにTシャツが汗でびっしょり。首周りだけとかじゃなく、全体がびっしょりだから、周囲の人から見てシャツが濡れていることが分からないぐらいでした。

この街は観光スポットが多く、ジョンカーストリートはお洒落な雰囲気。そして週末はナイトマーケット。街は清潔でカラフル。

必然的に観光客で賑わう街でした。

シンガポールから日帰りで行くこともできるようです。

この街に滞在した理由は沢木耕太郎の「深夜特急」。

僕も沢木と同じ夕陽を見てみたいと思いました。

真っ赤に燃える夕陽は見れませんでしたが、夕陽っぽいのは見れました。

海を見ながら「これが社会の授業で聞いたマラッカ海峡か」と、そっちの方が感慨深かったです。

ペナン

ペナンに滞在したのも「深夜特急」の影響です。

正直、ビーチリゾートには興味ありません。

行ってみたら、ペナンはビーチリゾートと言うより街ブラを楽しむ場所でした。

僕の中の「ペナン=ビーチリゾート」という勝手なイメージは、子供の頃に笑い転げて観ていた「新婚さんいらっしゃい」の賞品紹介のイメージ画像が原点だったのかもしれません。

中心部にあるジョージタウンは、アートな感じの絵が沢山ありお洒落。屋台街に行くと国際色豊かな食べ物を食べることができました。

ビーチのあるバトゥフェリンギは、ゴロゴロしながらビールって雰囲気ではなく、マリンスポーツを楽しむ雰囲気でした。元々マリンスポーツには興味無いので、あまり楽しめませんでした。

「楽しかったか」と聞かれれば、もう少し生々しいディープな旅が好きなので、物足りなさがあったのが正直な感想です。しかし今のマレーシアや今のペナンを感じることができたと思います。

あと宿が最高でした。

高級な宿ではなく、むしろ安宿に近い値段でしたが、ちょっとアンティークな雰囲気。スタッフの人達はいつも親切。

大体小汚い木賃宿に泊まる僕にとって「宿でその街の印象ってずいぶん変わるんだ」と新しい発見がありました。

毎朝起きたら受付兼カフェに行き、東南アジア独特の湿った重い空気を吸いながら冷えたラテを飲んだのはいい思い出。

タイ

スラターニ

特に何をしたとか、何を見たとかありませんが、すごく印象の良い街です。タイの南部ってこんなにゆったりした空気なのかと感じました。

バンコクのように人が多いわけではなく、のんびりした街を見ることができました。

住宅街でカラオケをしているおばちゃんにお誘いを受けたのは、なんだか心温まりました。断らなければ良かった。タイの歌知らないけど。

そんな空気感が漂っている街です。

誰も僕のことを知らない街に溶け込んで、カフェでコーヒーを飲む贅沢。ゆったりした時間。

カオマンガイ、美味かったな。

パンガン島

今回の旅ではパンガン島が一番楽しめました。

バイクに乗ってあてもなく島を周り、途中でシェイクを飲んだり、ビーチを観たりして時間が過ぎて行きました。

海はとても綺麗で、見ていて飽きない。

ゲーム「ぼくのなつやすみ」のような体験でした。

泊まった宿は、そんな島のビーチ沿いのバンガローでした。本当にいい時間を過ごせました。

この島は外国人旅行者が多いので、不便を感じることはまったくありませんでした。両替も、ATMも、レンタバイクも、飯屋も。

過ごしやすい場所だと思います。

パンガン島名物のフルムーンパーティー。

いや、僕が行ったのはハーフムーンパーティーでしたが、とにかく楽しかった。

飲んだ、吐いた、踊った、奇声を上げた。

久々にはっちゃけました。

また行きたい。

ラノーン

ミャンマーに行くはずが、あいにくの雨で中止になりました。残念です。

けどラノーンに立ち寄れたことは良かったです。

ラノーンは特に見所があるわけではないので、観光客はほぼ皆無です。

その分タイの田舎、とりわけタイ南部ののんびりした空気感を感じることができました。

都会とは違った空気感を持つ、雨上がりの住宅街を歩いている時に感じた、どことなく胸がつまる気持ちにさせる夕景。忘れたくはありません。

サメット島

個人的にはイマイチでした。

海が綺麗と言われているサメット島ですが、パンガン島の海の綺麗さを見た後では、それほど綺麗に感じませんでした。

ただしサメット島も奥に行けば行くほど海は綺麗になります。限界があるけど。

バンコクから気軽に行ける島だけに、家族連れや団体が多かったです。独り身としては、なんだか居心地悪く感じました。

一日中のんびり空を見ながら過ごしたり、バイクでアドベンチャーっぽく島を回ったりできる雰囲気の方が好きかな。

今回、サメット島に行くきっかけになったのは、よく見るYouTubeチャンネルでベタ褒めしていたからです。

改めて動画を見ると、そのYouTuberさんはウォンドゥアンビーチに宿泊してました。確かにそのビーチは、いわゆる隠れ家的ビーチリゾートな雰囲気で、静かで海も綺麗でした。反面、物価が高そうな印象です。実際はわかりませんが。

パタヤー

なんといってもゴーゴーバー。

札が宙に舞い、水着や全裸のお姉ちゃんが下品に群がる。

マッサージ屋で会ったトルコ人の「パタヤーはクレイジーシティーだ!がはは」ってセリフは僕の中で名言。

アメリカ軍が作った保養地(と言うより慰安地)だけあって、欧米人男性が多かったです。まぁ、慰安に来ているんでしょう。

他はうーん、なんとなく時間が過ぎてった印象。

メークロン

人の多さはさすが有名観光地。

バンコクから近いし、マーケットはいい具合にローカル感あるし、気軽に行くにはちょうど良かったです。

列車入線時にマーケットが道を開ける瞬間は、ココに来なければ見ることのできない光景でした。

もしバンコクに行く人から近郊のお勧めの場所を聞かれたら、メークロンをお勧めしたいです。

カンチャナブリー

いやー、行って帰っただけでした。橋を見ても、特に感慨深く感じませんでした。

出発前に映画「戦場にかける橋」を見ておけば良かったのかな。

感想、無し!

バンコク

アジアハイウェイ1号線の旅にも書いたのですが、2016年からバンコクの屋台が規制されはじめたそうです。

規制後に来たのは初めてです。

あれだけ屋台が多かったカオサンは、今やスカスカ。僕が好きだったカオマンガイの屋台も無くなっていました。

旅行者も昔ほど多くなかった印象です。

条件に合う宿も最安の航空チケットも、今はスマホで簡単に探せる時代です。

「カオサンに行けば安宿がある」、「カオサンに行けば安いチケットがある」と言われていた時代も、終わりを告げつつあるのかもしれません。

僕も今回の旅ではスマホが大活躍でした。

23年前、カオサンには旅行代理店や国際電話屋(oversea callと看板にあった)が沢山ありました。

その後通信技術がインターネットに変わり、国際電話屋がネットカフェに鞍替えしたのは15年ぐらい前だったと記憶しています。

今では皆がスマホを持つ時代になり、ネットカフェは消滅。旅行代理店も減ったように思います。

次にどんな店が台頭するのか、はたまたカオサン自体が規模を縮小していくのか。

このたった数百メートルの通りは、普段僕達が目にする社会の変化より数倍早く変遷しているように思えます。

今回はランブトリー地区(通称、寺裏)やナナ地区に良い宿を見つけました。ぜひぜひ今後の常宿として利用したい。

田舎の木賃宿は趣があって良いのですが、大都会バンコクではエアコン付きの清潔な宿がいい。

終わりに

楽しくのんびりした旅ができました。

多くの出会いがあり、笑顔が行き交い、新しい発見がありました。

また、色々なものを食べることができました。

ずっと海を見ながら北上しました。

あまりマリンスポーツに興味の無い僕ですが、「海っていいなー」と素直に思えました。

あんなに綺麗な海を見て、そう思えない奴がいたらどうかしている。

旅なんて生産性無いし、時間が経てば記憶が薄れるし、時間も金も浪費するし、打算的に考えればメリット無いんだけど、楽しいんだよなー。

旅ができて良かった。


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